第18章 主お世話係(仮)
不意に長谷部がその沈黙を破った。
長谷部「へし切長谷部だ。本日からこの本丸で…俺は主お世話係として尽力させて貰う」
え!?
私のお世話係!?な、何で勝手に決まってるんですかね!?
いや、何よりも何故お世話係なんぞしたいんだ…。
亀甲「…へぇ。僕は亀甲貞宗、主お世話というなら…一振り目である僕こそ相応しいというものだろう?ですよね、ご主人様?」
主「え、えーっと…た、確か審神者マニュアルに近侍っていうのを決めないといけないみたいだしね。やりたい人が複数居るなら、交代でお願いしようかな…?」
皆をより知れるなら、超した事は無い。
人差し指を口元に添え、未だ戸惑い半分に答えた。
亀甲「ふふ、残念だったね。長谷部君?」
長谷部「主もいずれ、この俺の有能な近侍力を認めて下さるさ」
私の言葉で一緒落ち込んだ様に項垂れていた長谷部が、亀甲の一言に咳払いをし、凛として返していた。
主「えっと…亀甲を呼んだのはね?長谷部にこの本丸を案内してあげて欲しいの」
亀甲「ご主人様の命なら喜んでっ」
あ…そういえば亀甲はお留守番した挙げ句、遠征にも出てくれてたんだ。
申し訳無いな…。
主「亀甲ごめんね?遠征から帰って来て間が無いっていうのに…」
亀甲「大丈夫さ、だからそんな顔をしないで?」
私と額同士をくっ付け、にっこりと笑って見せる亀甲。
何だか恋人同士の様で、鼓動が高鳴ってしまう。
主「じゃあ、亀甲にもご褒美あげる!何が良いかな?」
額が離れ、亀甲の顔をまだ間近に見ながら照れ隠しに提案した。