第67章 憤怒
主「えっと、今日の炊事当番は宗三と鳴狐」
宗三「僕が料理…ですか」
御付きの狐「鳴狐、是非とも今宵はいなり寿司を!」
鳴狐「そうだね」
うん…静かだな。
狐ちゃんの明るさに救われている気がする。
それにしても宗三さん、何かご不満でしょうか…?
一瞬湧いた疑問を吹き飛ばす様に軽く手を叩くと、私は次の内番の担当を発表した。
主「洗濯当番は薬研と厚!」
薬研「俺か…って、それより大将、少し顔色悪いぜ?どうした?」
顔を覗き込んでくる薬研。
心配掛けたくは無いが、何故か彼には隠しきれないと思う自分が居る。
主「え?ああ…ちょっと頭が痛くて」
薬研「頭痛か…昨夜は結構呑んでたみたいだしな、念のため持ってきて正解だったみてぇだ。ほら、頭痛薬だ。ちゃんと水かぬるま湯で飲むんだぞ?」
薬が入った包み紙を、私の右手に握らせてくれる薬研。
厚「大将、体大事にしてくれよ?まあ、洗濯は俺と薬研に任せとけ!」
心配そうに私を見ては、再びあのニッと笑んだ明るい笑顔を向けてくれる厚。
主「二人共ありがとぉぉ!」
私は二人を抱き締めた。
優しくて可愛い良い子達だ…!