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私の本丸

第66章 朝の教訓(*)




宗三「貴女は寝起きの男に抱き付くという事が一体どういう事か、あまり分かっておいででない様ですので…僕が直々に教えて差し上げます」


そう言うと、宗三は着物の中へと手を滑り込ませ、胸を撫でるように揉む。


主「ふ…ぁっ…ンンッ…」


その僅かな刺激にも、私はピクンと身体を震わせる。
まるで、宗三の手や指の感触を身体が覚えているかの様に。


宗三「貴女は、僕の同意を得ていないとお思いの様ですが…」

主「っ……ヒッ…ぁ」


宗三は顔を耳元へと寄せて、そっと囁く様に言う。
耳に掛かる吐息の擽ったさに、私は身体を微かに震わせた。


宗三「あの時の返事、していませんでしたね。僕も主、いえ…貴女を愛しています…」


宗三の言葉は、私の胸を熱くするには充分過ぎる位の情熱的な言葉であった。
それはきっと、私が宗三を好きだって言った“好き”という言葉への返事。


主「嫌じゃ…無かったって…事?」

宗三「どうでしょうね?」


曖昧な返答。
しかし、宗三は今まで見た事が無い、優しく慈愛に満ちた笑顔を向けてくれていた。
素直じゃない彼らしい、そう思った。


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