第65章 へべれけ(*)
主「行っちゃ……やだ」
宗三「はあ……主、ご自分のなされている事の意味…ちゃんと理解されていますか?」
宗三は大きな溜息を吐く。すると、途端に目付きが変わった。
いつもの眠たげで僅かに陰を潜ませた目ではなく、キリッとした男らしく鋭い目。
思考がぼやけていた筈なのに、宗三との視線が絡み合った瞬間、ドキンと鼓動が跳ねる。
主「わ…かってるよ…。宗三と一緒に居たいの、前みたいにキス…して?」
頬が焼ける程に熱い。
じっと彼を見詰め、囁く様に言う。
すると、宗三の顔がだんだんと近付き、距離がゼロになる。
宗三「火をつけたのは貴女ですからね……ん…っ」
主「ふ……んぅっ…」
それは、この前の口付けからは想像も出来ない程に激しく、艶めいた濃厚な物だった。
絡まり合う舌に宗三と自らの唾液が混ざり合い、熱を上げていく。
時折軽く舌を噛まれ、舌から背筋に腰へと快感の波が駆け抜け、足を震わせる。
口から溢れる程の唾液を飲み下し、自らも応える様に舌を絡める。
唇が離れ、左右色の違う彼の瞳と目が合った。
宗三「淫らですね…」
主「ん…はぁ……そう…ざ…ぁ…」
宗三「どうしたんです?そんな、物欲しそうに見詰めて」
クスクスと意地悪く笑う宗三に、酔って理性が保てなくなった私は、自ら服の前を僅かに開いた。
主「意地悪…しないで…ぇ」
宗三「全く…いったい誰に教わったんだか」