第65章 へべれけ(*)
私は日本号の皿に料理を盛り付け、にへらと笑いながら差し出す。
それを受け取り、動揺を隠せず陸奥守に問う日本号。その様子を見て、私は頬を膨らませる。
主「あー、内緒話いけないんだーっ。私もまぜてー」
と言って、ぎゅっと日本号に抱き付く。
日本号「どわぁっ!お、おい!?」
小烏丸「ふむ、子は初心よな。黙って頭くらい撫でてやれば良いではないか」
小狐丸「ぬし様」
主「はーい、ぬし様でぇぇっす!」
小狐丸の寂しげな呼び掛けに、敬礼しながらゆるんだだらしの無い笑みを浮かべるも、バランスを崩す。
しかし、その時丁度やって来た宗三に抱き留められた。
宗三「飲ませ過ぎですよ」
キツく、そして冷ややかな視線で皆を一睨みすれば、私を抱き上げ審神者部屋へと連れて行く。
部屋に着くと、酔いが回り、思考に靄のかかった私を座らせ布団を敷いてくれた。
宗三「主、ご自分で布団まで来れますか?」
主「ん~…むりぃ…宗三抱っこぉ」
両手を広げ、甘える。
すると、いつもは溜め息を吐いたりと悪態をつく宗三だが、頬を赤らめ私を抱き上げて布団に寝かせてくれる。
しかし、すぐに離れて行こうとする宗三を抱き締めた。
どこにも、行って欲しくなくて…。