第64章 優しい人
歌仙「どんな理由があったにしろ、彼等はこの本丸を襲い僕達だけでなく主…君に刃を向けた。許される筈が無いだろうっ!?」
主「…っ」
長谷部「歌仙、主に当たるなっ」
頭ごなしに叱られ、じわりと涙が浮かぶ。
長谷部が歌仙を止める為に声を上げるも、歌仙は止まらなかった。
歌仙「謝ったから、はいそうですかって家族に迎え入れる?僕はそれほどお人好しじゃないよっ」
秋田「うぅ…ごめんなさいぃっ」
平野「っ……」
浦島「そう…だよな、都合良すぎるよな…俺達」
歌仙「まして謝罪もせずに慣れ合うつもりはない?馬鹿にしているのかい?ふざけるのも大概にしてくれ。僕は信用出来ない刀剣と共に暮らすなんて、御免だよ」
大倶利伽羅「……」
歌仙「僕は認めないよ!」
そして、今に至る。
どうやら歌仙が怒っている矛先はただ一人、大倶利伽羅であるという事は分かった。
確かにあんな出会いからのこの態度はいけないと思う。
でも、乱の時も危険であったのは同じだった筈。
主「乱ちゃんの時は言わなかったよね?」
歌仙「…それとこれとは話が別だ」
主「みんな本当に良い子なの。これだけは信じて、歌仙!」