第64章 優しい人
力強く言っては苦笑いを浮かべて頬を掻く獅子王、勢い良く頭を下げる厚と後藤。
淡々とした口調だが、すまなさげに目を伏せる骨喰。
同田貫「悪かった。あ-…俺は難しい事は苦手だ。これからは主を、お前らの背を守る…それだけだ」
日本号「悪かった、その…なんだ、今回の事は大目に見てくれると助かる」
不動「ひっく…あ-…何て言やあ良いんだ?なんつーか、その…本当悪ぃ…」
視線を泳がせながら謝罪する三人。
此処までは、皆黙って聞いてくれていた。
しかし…この後が悪かった。
大倶利伽羅「……慣れ合うつもりはない」
フイ、と顔を背けてしまう大倶利伽羅。
次の瞬間、歌仙が台を両手でバンッと叩いた。
歌仙「何なんだい彼は!?」
主「あ-…えっと…」
燭台切「伽羅ちゃん!」
明るい笑みを向ける燭台切と、燭台切を一瞬だけちらりと見る大倶利伽羅。
知り合いなのか…。
そうじゃなくてっ、今は歌仙を落ち着かせないと!
主「あ、あのね歌仙。大倶利伽羅は根は悪い子じゃ無いんだよ?ただ、少し素直じゃないっていうか…」
歌仙「主…良いかい?」
主「は、はいぃっ!」
ぎろり、と睨み付けてくる歌仙にビクッと肩が跳ねる。