第63章 敵と家族と境界線
見れば、鶴丸は金色の髪を結った、肩にふわふわとした生き物を乗せた男士と対峙していた。
うわ…皆可愛い。
女審神者「(なら交換しましょうよ…平野藤四郎と蜂須賀虎徹、厚藤四郎をあげるわぁ)」
自分の大切な家族に、交換なんて言葉を使う人なんかに…誰が従うもんか!
私は骸の一件から少し力が付いた様だった。
先程同様、念じる様に返すと神力で意志疎通を遮断する。
主「私は私の家族を守りたい!皆、力を貸して…!」
?(敵)「家族……?」
?(敵)「しっかりして下さい浦島さん!!」
?(敵)「じっちゃんの名に懸けて……俺は…」
どうしたんだろう?向こうの士気が、一気に下がった気がする。
隙を突き、亀甲が女審神者を捕縛した。
一瞬、亀甲がまた何処かに行ってしまうのでは…という恐怖に体が震えた。
しかし次の瞬間見た物は、麻縄で女審神者を縛り上げる亀甲の姿だった。
………うん、それって何縛りですか…亀甲さん……。
その後政府に連絡を取り、事件は解決した。
女審神者の名は椿姫(つばき)
彼女は刀剣収集者と呼ばれる類いの、ブラック本丸を所持する審神者だった。
本丸を荒らしては、余所の刀剣男士を奪っていたらしい。