第62章 夢と現実
御手杵「は…ぁ…俺は、アンタが好きだ…っ」
主「んっ…はぁ…っ…わ、私も好きだよ、御手杵…」
漸く唇が離れると、突然の告白。
きゅんっと胸が締め付けられる、この気持ちの答えは誰より私が一番知ってる。
返事をして彼の頬に口付けると、私はにっこりと微笑んだ。
すると、また顔を真っ赤にしてしまう御手杵。
きっと彼は身体こそ大きいが初心なのだろう、そんな御手杵をとても可愛いと思った。
御手杵「わ、悪い……仕事の邪魔しちまったみたいだな」
主「……ぁ」
そう言ってすまなさげに立ち上がる御手杵の服の裾を、思わず掴む。
驚き目を見開いて私を見下ろした後、照れ臭そうに目を逸らして人差し指で自らの頬を掻く。
彼は照れ屋な様だ…可愛い、そう言ってしまえば怒るだろうか?
御手杵「俺はアンタが好きだ」
主「き、聞きましたよ?」
御手杵「何で敬語なんだ?一緒に居て、我慢しろなんて…酷な話だろ…」
真っ直ぐに私の目を見詰めては、低めの声で告げられる。
が、我慢…!?
その言葉を耳にした途端、一気に顔から耳まで熱くなる。
それでも、私の手は御手杵の服を離そうとしなかった。
主「我慢…しなくても……」