第62章 夢と現実
次郎太刀が部屋を出て行った後、私は仕事用にパソコンが置かれた台に項垂れていた。
主「し、死ぬほど恥ずかしかったぁぁぁぁぁ…」
穴があれば入りたいとは、こういう時に使うんだろうと思った。
何とか座れるまで回復した為、未だ熱いままの頬を軽く叩きパソコンに向かっていた。
えっと…今日の近侍は確か御手杵だったよね。
もしかして居たりしないよね…?
ないない。そんなに仕事無いって言っておいたし、きっと今頃部屋にでも戻っているだろう。
しかし、そう思った瞬間後ろから声が聞こえてきた。
御手杵「う~ん…うううう…」
突如聞こえてきた声にビクッと肩が跳ねる。
後ろを見ると、畳んだ私の布団に凭れ掛かりながら魘される御手杵の姿があった。
主「びっくりしたなぁ…もう。寒くなってきたのに、ちゃんと布団着ないと風邪引くよ?」
御手杵「んん……むにゃ…」
何とか御手杵の元まで這って行けば、掛け布団を掛けてあげる。
っていうか、私の部屋で魘されてくれるなよ…此処で一人で寝るの怖くなるでしょうが。
でも、良かった…魘されなくなったみたい。
主「やっぱ寒かったんじゃない」
御手杵「……行くなよ」