第61章 優しさ
うぐ…よりにもよって次郎ちゃん。
まだ亀甲や長谷部なら言えたかも知れないのにぃぃっ!
しかし、もじもじと動く私を見て次郎太刀は気付いてしまった。
次郎「アンタもしかして……んもう、世話が焼けるね!」
主「ひゃわぁあああ!?」
いきなり次郎太刀に抱き上げられ、奇声を上げてしまう。
その様子に、太郎太刀が驚き起き上がる。
太郎「次郎太刀、また主様に…っ」
次郎「兄貴、好きならもっとちゃんと見てあげないと駄目じゃないのさ!」
主「じろ…ちゃん…」
目を細め怒りを露にする太郎太刀をキッと睨み付け、諭す様に言い放つ次郎太刀。
ヤバイ…急に抱き上げられた所為で尿意が増してしまう。
情けない声を出し、瞳を潤ませる私を見て次郎太刀は駆け出した。
次郎「歯ぁ食いしばって耐えなっ!」
足を閉じ、私は身体に力を込めて瞼をぎゅっと瞑った。
潤んでいた目からは、涙が零れる。
次郎「泣きたいのはアタシの方さ。こっちはそれでも兄貴に先越されて…ほら、着いたよ!」
私の腰が立たない事を見越してか、見ない様に下着を脱がせてくれる次郎太刀。
うん。もう、女終わりって事で良いかな?
これじゃ介護されてるおばあちゃんだ…。
何よりこの本丸のトイレに洋式があって良かったぁぁ。
でも…次郎ちゃん、一体何て言おうとしたんだろ?