第58章 内番
ごめんなさい。
皆がこんなに頑張ってくれてたのに、全然見れて無かった。見ようともしていなかったなんて、私は最低な審神者だ。
これからはもっともっと、皆と過ごす時間を大切にしよう。
皆が掛けてくれる優しい言葉や明るい笑顔が、私に大事な事を気付かせてくれた。
主「ふふふ-、鶴ちゃんを驚かせるのが私の仕事だぁぁ!おら、こちょこちょこちょっ!」
おどける様に、けれど自慢気に胸を張って言えば私は鶴丸の腋を擽った。
鶴丸「ぶっ!?あっははははは!!やめ、ははははっ!」
山伏「仲良き事は美しき事ぞ、カカカッ」
擽ったさに吹き出す様に笑い始め身を捩る鶴丸と、私と鶴丸の様子に腰に拳を添えて豪快に笑う山伏。
私は擽る手を止めて、鶴丸を見上げた。
主「ふふ、だーい好き!」
鶴丸「…な!?君は…いきなりは反則だろう…」
主「山伏も愛してるーっ」
そう言って赤面した顔の右半分を右手で覆う鶴丸から離れ、私は山伏に抱き付いた。
山伏「ふむ、ならば主殿…」
不意に山伏の顔が耳元に近付く。
山伏「ならば近々、主殿の寝所に出向いても宜しいか?」
………え?
耳元で囁かれた言葉…ちょ、ちょっと待って!?
山伏、今なんて言った!?