第58章 内番
主「えーっと、畑当番は江雪と小夜ちゃん!」
江雪「拝命、頂戴致します…」
小夜「うん、いっぱい頑張るよ」
静かな兄弟だ。
そう心の中で呟くと、いつの間にか敬語が取れた小夜が此方を控え目に見る。
か、可愛過ぎるぅぅぅ!
主「え、えっと…馬当番は国行とみっちゃん」
私は明石と大典太を見た。
明石「内番ですか?主はんが言わはるんやったらしゃあないなぁ、動きましょか」
大典太「み、みっちゃん?…俺は動物に近づくと…」
主「大丈夫、私はこうしてみっちゃんに触れるもん。お馬さんにも知って欲しいしね、みっちゃんが優しいって事」
大典太「……分かった、拝命受けよう」
焦ったぁぁ…いきなりのあだ名呼び、怒られるかと思った。
でも大典太は怒らなかった、やっぱり彼も優しい…。
でも私が彼の手に触れた瞬間、一瞬だけ笑った様な気がしたのは…気の所為だったのかな?
主「手合わせは薬研と数珠丸」
数珠丸「畏まりました」
薬研「手合わせか…宜しく頼むぜ数珠丸」
数珠丸「此方こそ、互いにより良い時と致しましょう」
うん、真面目だなぁ…。
この二人なら、きっと得るものも大きいのだろう…場景が目に浮かぶ様だ。