第57章 亀甲と本丸
隣に亀甲が寝ているというのに、長谷部は私の唇を自らの唇で塞いだ。
興奮した猛りをぶつけるかの様な、そんな噛み付く様な激しい口付け。
唇を割って入ってきた舌が、口内を貪る様に動く。その舌の熱さが、まるで私の舌を焼き溶かそうとしているかの様で身体が熱を持ち始める。
主「ふ…ぁ…んぅ…は…せべ…っ」
長谷部「は…っ…主……っ」
長い長い口付けの最中、急に長谷部が頬を真っ赤に染めて体を離した。
長谷部「ももも、申し訳ありません!!み、皆に亀甲の帰還をし、知らせて来ます!……ぶっ!!」
主「へ……?」
勢いよく立ち上がり、部屋から出る際に襖に思い切り激突するがそのまま駆ける様に出て行ってしまった。
私は上体を起こし、甘い余韻と心地良い痺れを残した唇に指先でそっと触れる。
すると、突然後ろから腰を抱き締められた。
亀甲「ふふ、見せ付けてくれるねぇ…高まってしまうよ」
主「ばーか。亀甲、お帰りなさい」
亀甲「ただいま…ご主人様」
私は亀甲の額に口付けを落とした。
そして私達は支度を済ませ、広間へと向かった。
主「おはよう!みんな聞いて、今日は大大大大ニュースがあるよ!」
長谷部から聞いてか、広間に集まっていた皆に開口早々にテンション高く告げた。