第57章 亀甲と本丸
朝、私は長谷部に起こされた。
長谷部「主、今日はとても良い天気ですよ。本日は、主お世話係である長谷部が起こしに来ました……なっ!?」
掛け布団をバッと剥がされ、寒さに目が覚めた。
主「うう…ん?長谷部、寒いぃ…」
長谷部「な…な…なっ!?」
なっななっな、うるさいなぁ。
ふと上体を起こすと、いつもは感じる布の感触が無い。
自分を見るのが怖くて、隣に視線を移せば裸で寝ている亀甲の姿。
そして、恐る恐る視線を落とすと…一糸纏わぬ自分の裸があった。
主「~~~~~っっっ!?!?」
私はあまりの状況に声も出ず、再び布団を被った。
そして、布団の中で自らの身体を抱き締めた。
主「は、は、長谷部!わわ、悪いんだけど…へ、部屋から…出てくれないかな?」
動揺で声が裏返り、吃ってしまう。
しかし、長谷部は何の反応も示さない。
一体どうしたというのだろうか?少しだけ顔を出して様子を見てみる事にした。
長谷部「…主」
目元だけ出しただけだったが、長谷部の顔が近くに来ている事に驚き、布団から顔を出した。
熱を帯びた菫色の瞳から、目を逸らす事が出来なかった。
主「…はせ…べ?」