第54章 欠けた本丸

骸「地に這いつくばったのなんて……初めてだ」

亀甲「………」


もう、交わす言葉を持ち合わせていなかった。
ご主人様をあれだけ泣かせた男に同情出来る程、僕は優しくはなれない。
主が己の全て…ご主人様を想う刀剣男士、皆想う所があるだろう。
そんな刀剣男士の気持ちを裏切り、僕のご主人様に憂いをもたらしたこの男は…もう人ではない。


そうして、骸は不様に身体を震わせ…逝った。

あれから何れくらい経ったのだろうか？もう時間を知る事すら出来ない。
ただあるのは、ご主人様が今笑えているかというこの想いだけ…。