第53章 敵襲
骸「役に立たねぇ刀だな。俺が此処の審神者なったら、テメェからぶっ壊してやるよ…」
主「私の家族に触らないで!!!」
宗三の顎をギリッと強く掴み、嘲笑する。
苦しみと痛みに顔を歪める宗三を見て、激しい怒りが込み上げた。
両手で輪を作り、その中心に神力を集中させて光の矢を放った。
骸「これが限界なのか?下らない」
しかし、その矢はいとも簡単に手で払われ消えてしまった。
嘘だ…コイツとの力の差はこんなにも違うの?
絶望する私にゆっくりと近付いて来る骸、私は恐怖で腰が抜けてしまい座り込んだまま後退る。
宗三「僕の、主に…近寄らないで下さい!!!」
いつも静かでツンと澄ましている様な印象の宗三からは想像出来ない、怒気を含んだ荒い声だった。
苦しむ中、力の限り刀を振るったのだろう…骸の左腕が刎ねられた。
宗三の本体である刀には赤い鮮血が流れては落ち、床に血溜まりを作っていた。
骸「…くっ…そうか、今折れたくなったのか…っ!」
宗三「ぐっ…う…ああああっ…ぁぁっ!!!」
骸が宗三に右手を翳すと、蹲り苦しみ出す宗三。
嫌だ、やだ、やめて!!!
私は恐怖で腰が抜けたままの体を引き摺り、四つん這いで宗三に近寄る。