第52章 甦る記憶
広間へ行くと夕餉の準備が出来ており、皆が座って待ってくれていた。
主「…皆、今日は心配掛けてごめんなさい!改めて、ただいま!」
口々にお帰り、やら心配した旨やらを各々が言葉を掛けてくれた。
泣きじゃくって抱き付いて来る子も居れば、安心した様に片方の眉を上げて微笑んで来る子も居た。
皆、本当に優しく良い子達だなぁ…毎日この子達の優しさや温かさを改めて実感させられる。
しかし、広間には居ない子が居る事に気が付いた。
主「あれ…山伏と大典太は?それに薬研に数珠丸も居ない…三日月もまだ来ないし」
陸奥守「お、気が付いたかにゃあ?あいつらぁには見張りを頼んだがよ」
聞けば、夜目が利く薬研を本丸全体を見渡せる審神者部屋に。
山伏と大典太は門を、数珠丸は山道付近。三日月は本丸内を歩きながら警備しているらしい。
途中から広間の輪に加わった陸奥守の説明を聞き、何だか申し訳無い気持ちになった。
皆、疲れてるだろうに…。
物吉「皆さん、主様が大好きなんですよ」
主「私、何も返せてないのに…」
鶴丸「君がそういう事を言ってくれるなよ。返す返さないじゃないだろ、家族ってものは」
今剣「そうですよ!かぞくはたすけあうものだって、歌仙さんがおっしゃっていました」
包丁「ま、俺は主が人妻じゃなくてすこーしガッカリしたけど…人妻だったらさ、こうやってずっと傍には居られないもんな?」