第50章 帰り道のトラップ
帰り道、万屋に行く道中に立ち寄ったあの茶屋の前を通り掛かった。
茶屋の店員として対応してくれた女の子が、店の前に立っていた。少し俯き気味で、その姿は僅かに不気味さを感じさせた。
そういえば、鶴丸とは一体どんな話をしたんだろう?
やっぱり…一目惚れです!とか、付き合って下さい!みたいな告白だったのかなぁ…っていうか、鶴丸はOKしたんだろうか?
何て考えていると、あの女の子が駆け寄って来るのが見えた。
乱「…っ!?主さん、危ない!!」
どん、と乱に突き飛ばされて数珠丸に受け止められた。
え…何?何があった!?
ふと見れば、あの茶屋の女の子が持つ包丁と乱の持つ短刀とが対峙していた。
主「…な、何が…?」
数珠丸「問題ありません。恐らく、彼女は何者かに操られているのでしょう」
操られてる…?
もしかしなくとも、それって…。
主「む…くろ…?」
大典太「なかなか勘が鋭いな、説明しなくて済みそう…だ!!」
周りを見ると、大勢の人間が糸で吊られて操られている操り人形の様な体勢でふらふらと歩み寄って来ては、私達を取り囲んでいた。
その手には包丁や刀、箒や鎌、斧や棒切れ等…手に握れる武器となろう物が様々に握られていた。
大典太は拳を振るい、その風圧で数人を吹き飛ばす。