第49章 問題発生!
静かに呟いた三日月の声が、酷く冷たく室内に響く。
主「それで、関わった私に警戒をしろと?」
政府「単刀直入に言えば、その通りです」
主「ふざけないで下さい!違法者を捕まえて貰ったけど、逃がしてしまったから用心しろ?」
政府の彼は、私の怒りに黙って耳を傾ける。
表情の変わらぬ彼に、余計に怒りが込み上げた。
主「そんなの私だけじゃない!この子達に何かあったらどうしてくれるんですか、政府はまた手放しで高みの見物ですか!?」
政府「審神者も刀剣も、代わりはききます」
それは私の全身を突き刺す様な酷く冷たい声で紡がれた、冷酷な言葉だった。
三日月「……っ!!!」
主「ぁ…三日月、駄目!!」
政府の言葉を聞いた瞬間、三日月は刀を抜いて政府の喉元に剣先を差し向ける。
慌てて制すると、動きは止まるも私は三日月の顔を見てハッとした。
完全に光を消した瞳に浮かぶ三日月が、怒気を含んで妖しく揺らめく。
あのどんな時でも穏やかで優しい彼の、初めて見せた怒りの感情だった。
ふと見れば、乱と小狐丸も同じく刀を抜いていた。
三日月「代わりとは言ってくれる…ならばお主こそ代わりがきくだろう。生き急ぐなよ?俺達の主に代わりは要らん…っ」
小狐丸「審神者が代わると言うならば、私は自らで己を折りましょう。私達は皆、同じ思いでこのお方にお仕えしているのです!」