第48章 幸運の三条
物吉「僕は、僕を戦に持って行けば必ず戦に勝利するという事から…この、物吉という名を賜りました」
そんなの、名付けた人間の勝手な期待だ。
物吉「だというのに…主様の御身を危険に晒した挙げ句、ご病気でお倒れになられたと聞きました…っ」
そっか…こんなに純粋で優しくて心配性な子を、私は此処まで心配させてしまったのか。
私はそっと抱き締め返した。
主「物吉は幸運…運んでくれたじゃない。これ以上に無いって位の幸せ」
物吉「……ぇ?」
少し身体を離せば、目にいっぱいの涙を溜める彼の瞳に私が滲んで映る。
主「物吉っていう素敵な家族が出来た、他の子達だってそう…みんな大切な私の家族。こんな幸運、他にある?私、これ以上の幸せなんて無いって思ってるよ」
本心だった。
皆と家族になれた事、色々な事が起こるけれど皆と毎日一緒に笑っていられる事。
これ以上の幸せなんて、あってたまるものか!
物吉「主様は、こんな僕でも…好いて下さるのですか…?」
主「もちのろんだよ!物吉の事大好き!!って胸張って言えるよ?そうだ、ちょっと本丸全体に聞こえる様に叫んでみようっ」
物吉「…ぇ?わああぁっ!!は、恥ずかしいですから!」
溜まっていた涙を零しながらも、笑ってくれる。
私はこの笑顔を守りたい…!