第46章 冷たい温もり
鶴丸「君には敵わないな…だが、この鶴丸国永の心を射止めたんだ。君は審神者失格なんかじゃない」
主「わ、それは光栄だなぁ」
鶴丸の言葉に、クスクスと笑う…鶴丸も釣られて笑う。
鶴丸「さ、そんな元気があるならもう安心だな。なら、俺は次の驚きでも仕掛けてくるとするか!」
主「えー…穴掘ったり罠仕掛けるのは無しの方向でよろしくー。誰も怪我させない様な、楽しい驚きにしてね?」
鶴丸「な…君は読心術でも使えるのか!?ま、まあ…君の願いなら心掛けるさ」
そう言って、鶴丸は立ち上がった。
背を向けて襖を見たままに、突然切り出した。
鶴丸「…そうだ。君へ贈った言葉に、嘘は一つも無いからな?」
最後、一度振り向いてフッと笑う鶴丸。
途端、かああっ…と頬に熱が集まっていく。
そんな私を知ってか知らずか、鶴丸はそのまま襖を開けて出て行った。
主「あ、駄目だ。また熱上がってきたかも…」
それから私は、再び布団に潜り瞼を閉じた。
どれくらい経ったのだろうか?
不意に額に触れた冷たい感触に、目が覚めた。
主「う……ん?」
江雪「起こしてしまいましたか?」
優しく額に触れてくれていた手の主は、江雪だった。
どうやら明日の近侍を書いてあったメモを、鶴丸が見てくれていたらしい。
私が目を開けた瞬間、江雪が手を引っ込め様とする。
何だか寂しい…そんな感情に襲われる。