第46章 冷たい温もり
鶴丸「…すまなかった!君だけはこの手で守るんだと、そう…心に決めていたというのに…っ」
主「鶴……ちゃん?」
鶴丸「なのに、あんな男が君に触れる事を許してしまった…俺は……俺の方が刀剣失格だ…っ!」
正直、驚いた。
いつも冗談を言っておどけて見せている彼の、意外な一面。
肩が震えてる…ねぇ、泣いてるの?
強く抱き締められ、耳よりも後ろから聞こえるギリッと歯を軋ませる音に胸がぎゅっと締め付けられる。
主「そんな事無い、神力も弱くて…鶴ちゃん達に十分な事もしてあげられてない私が悪い。だから、鶴ちゃんは何も悪くな…」
鶴丸「…っ…君はいつもそうだ!どうして、全部背負い込もうとする?俺は君に何かをしてやりたい…でも君がそんなじゃ、何もしてやれないじゃないか…っ!」
叫ぶ様に放った彼の声は、鼻に掛かっていた。
私が口を開こうとすると、鶴丸は再び口を開いた。
鶴丸「でも…愛おしい。どうしようも無い位…俺は、君が好きなんだ!」
私は、再び驚いた。
彼は優しい、それと同じくらい何を考えているかが読めない。
そんな彼が必死に訴えかけてくる言葉が、胸を熱くさせる。
だから、負けじと言ってやる。
主「私だって、鶴ちゃんが大好きだよ」
鶴丸「俺だって大好きだ!」
主「じゃあ、私は鶴ちゃんを愛してるー」
一瞬、鶴丸の動きが止まる。
お、ムッとしたか?