第45章 病気と鶴
長谷部「主!長谷部を…長谷部を置いて逝かないで下さいっ!!」
薬研「ちっ…悪いが少し静かにしてくれ」
和泉守「おい、縁起でもねぇ事言うんじゃねーよ!」
本当にそうなっちまったら…そう考えると、震えが出る。
全く、この大袈裟な奴をどうにかしてくれ…俺まで臆病風に吹かれちまいそうだ。
薬研「神力が減ってる訳じゃない、こりゃあ…風邪だな」
和泉守「風邪だぁ!?んだよ、心配して損し…」
薬研「和泉守、風邪は万病の元とも言う。心配するに損なんてもんは無いんじゃないか?滅多な事は言うもんじゃない」
長谷部「主~~~~~っ、俺が付いていながら…ああ、主~~~っ!」
鶴丸「………」
ったく…見てくれはガキでも、流石に年代が上なだけはある。落ち着きも考えも俺より、遥かに上だ。
長谷部は…相変わらず泣き通しか。コイツ…主殿に抱き付きっぱなしじゃねぇか、ちっとは離れやがれ!
鶴丸「主は近侍の俺が見ておく、長谷部は主が食いやすそうな物を夕餉に作って来てくれるか?」
長谷部「あ、ああ…分かった!主が出来るだけ食べやすく、精の付く物を用意する!」
鶴丸「薬研は主に当面飲ませられる薬を作ってくれ」
薬研「わかった、夕餉までには用意しておく」