第41章 初めての万屋
男審神者「……来い」
主「…っ!!!」
全身に悪寒が走った。
男が顔を寄せた途端、性行時に嗅いだ事のある青臭い匂いが漂う。精液の匂い、だ。
傍に仕えている長髪の愛らしい刀剣男士は、まるで泣いている様に笑う。
何が起こってる…?
鶴丸「や…め…ろぉぉっ!!」
歌仙「あ…るじっ!!」
燭台切「その子にだけ…は…手を…出さないで…くれっ!!!」
異常な迄の邪悪な神気、鶴丸は蹴り飛ばされ起き上がる事も出来ない様だった。
三人の悲痛な迄の叫びを、男は鼻で笑い飛ばす。
腕を捻り潰されるのではないかと錯覚する程の力で二の腕を握られ、店の奥へと連れ込まれる。
無論、あの愛らしい刀剣男士も一緒に居る。
主「離して、離しなさいよ!!」
男審神者「この俺に楯突いたんだ、二度とそんな口叩けねぇ様に俺が直々に教え込んでやるよ…っ」
痛い…痛い痛い痛い!!
後ろ手に捻り上げられ、壁に思い切り叩き付けられる。
ふと見ると、あの愛らしい刀剣男士は笑顔を作ったまま…感情を映さぬ瞳から涙を流していた。
泣いてる…!?こんなに可愛い子が、泣いてる。
これは悲しみの涙だ…誰が楽しくて、こんな悲しそうに泣くだろうか?
主「君……つっ……名前…は?」
私の服に手を掛ける男、無理矢理だから男の爪が私の身体に赤い傷痕を残す。
しかし、私はこの刀剣男士に笑顔を向けた。きっと痛みや不安に歪んだ、不器用な笑顔だったに違いない…。