第40章 甘くて苦い
鶴丸「ん…どうかしたか主、俺の顔に何か付いているのか?」
主「目と鼻と口ー」
鶴丸「何だそりゃ」
私からあーだこーだと言える訳も無く、目を逸らして答える。
暫くして、注文した品が運ばれて来た。
主「美味しい!」」
歌仙「ん…!やはりこの抹茶は京都宇治の代物だ、しかもかなりの上物らしい…とても風味豊かで美味だ…!」
鶴丸「おお、餅が三つも入ってるぞ!」
燭台切「三つも!?鶴さんも、お昼食べられないなんて言わない様にね?」
この茶屋の甘味は、本当に美味しかった。
皆で堪能し、店を出るべく支払いしようと財布を出すと…。
店員「あ…あの…!」
鶴丸「…ん?俺に何か?」
不意に鶴丸に声を掛ける、店員の彼女。
きょとん、とした表情を浮かべる鶴丸。
燭台切と歌仙は既に先に出ていた。
また、視線を感じて彼女へと目を向ける。ちらちらと私を見ている…何だ、邪魔だってか?
主「はあ……ねぇ鶴ちゃん、これで払ってくれる?私、先に出て待ってる」
鶴丸「あ…ああ、分かった」
そして、私も燭台切と歌仙に合流した。