第40章 甘くて苦い
一体どうしたんだろう?私達は何処かおかしいんだろうか…と、少しばかり不安になる。
不意に、鶴丸が身を乗り出して来て顔を覗き込む。
鶴丸「一体どうしたというんだ?阿修羅像の様な顔をして」
主「…へ?って、誰が阿修羅像だ。誰が!」
っていうか、何故に仏像ネタばかりぶっ込んで来るんだ?
でも、お陰で不安だった気持ちが軽くなった。
燭台切「主は注文、決まったのかな?って」
主「あ、うん!みたらし団子とお汁粉っ」
にへら、と笑って答えた。
すると鶴丸は片手を挙げ、あの店員を呼ぶ。
鶴丸「すまない、注文を頼みたいんだが…」
店員「は…はいっ!」
間近で見た彼女は私とは違う、大人しく清楚な雰囲気の可愛い女の子。ああ…羨ましい、こう生まれてたら人生変わっただろうか?
いや、見た目違ってもこれじゃあなぁ…。自分で自分に苦笑いする。
鶴丸「俺は善哉を」
燭台切「僕は抹茶で」
歌仙「僕は栗羊羮と抹茶を貰えるかい?」
主「私はみたらし団子とお汁粉でっ」
注文表に書き記して行く女の子。
店員「お抹茶がお二つ、それから栗羊羮とお汁粉とお善哉とみたらし団子がお一つずつで宜しかったでしょうか?」
主「はい、それでお願いします!」
店員「畏まりました、で…では、暫くお待ち下さい」
普通に見れば、平凡な風景だった。
でも、鶴丸と目が合った時のあの子の顔といったら…真っ赤になって、とても可愛らしかった。
一目惚れかな?まあ…確かに綺麗な顔してるもんね、鶴ちゃんは。
と、じっと目の前の彼を見る。