第40章 甘くて苦い
それから私は広間に行き、食事を済ませた。
私が食べ終わる頃、漸く和泉守と陸奥守が広間に顔を出した。
顔を背けてはいたが、喧嘩はしていない様で安心した。
昨日考えていた万屋の件、どうしたものかと外を見てみれば雨はあがっていた。
さて…これは行け、という事だろうか?
しかし…小さい子達を誘えば、自ずと包丁がついて来てしまうだろう。そうなればお菓子をねだられ、100%甘やかしてしまうのが目に見えている。
それに今日は荷物が多くなる…ショタ達に持たせる訳にはいかない!さて…となると、誰を誘おうか…。
鶴丸「お、どうしたんだ?そんな仁王像みたいな顔をして」
主「誰が仁王像だ!失礼だな、鶴ちゃんはっ」
鶴丸「ふはは!何か悩んでいた様に見えたからつい…な。君は笑っている方が良い」
心配してくれたんだろうか?
あ…そうだ。
主「ねぇ鶴ちゃん、お買い物に付き合ってくれない?」
鶴丸「ん?ああ、君が来て欲しいと言うなら付き合うが?」
良かった…。ただ、今日は荷物が多くなりそうだし…もう二人ほど欲しいな。
そう思っていると丁度、燭台切と歌仙が通り掛かった。
主「あ、二人とも丁度良かった!これから買い出しに行くんだけど…付き合ってくれない?」
燭台切「ああ、この本丸も人数が増えたからね。そろそろ食材を買い足さなければと思っていたんだ」
歌仙「買い出しか…まあ、主に重い物を持たせる訳にはいかないしね、構わないよ」
鶴丸「おお、光坊も歌仙も捕まっちまったか?」
主「ちょっと鶴ちゃん!?」
ひ、人聞き悪い言い方すんなっ!
私が軽く睨むも、鶴丸はケラケラと笑うだけだった。