第39章 大ハプニング
主「あ、ありがと…う」
和泉守「良いから、さっさと出ろ!」
今の状況は男二人に女が二人…そんな状況で大声を出す和泉守。
何より、わしが惚れたおなごに声を荒げる和泉守が許せんかった。
陸奥守「そんな言い方は無いがやろ、主が怯えてしまうじゃろうが!」
わし自身、思った以上の苛立ちが表情に表れる。
ああ…和泉守に知られてしもうたがやろか、わしが主に惚れゆうが事…。
そのまま、いつも通りの気まずい空気が流れ黙り込んだ。
主「二人共ありがとう、えっと…じゃあ私出るね?」
風呂から上がる際に背後から聞こえた愛らしい声に、胸が締め付けられる様な僅かな息苦しさを感じた。
これが恋慕言うがやろか…?
主が風呂場から出た事を確認しては、かけ湯をする。同じ様に洗い場へと向かう和泉守とは一人分の間を空けて座り、身体を洗い始めた。
わしは、苛立ちを僅か抑え…言った。
陸奥守「主を傷付け付けようもんなら、わしが許さんぜよ…」
和泉守「テメェこそ、主殿を泣かせやがったら…」
わしの言葉に言い返そうとするも、不意に風呂場に主の声が響いた。
主「喧嘩しないの!和泉守、陸奥守…さっきは本当にありがとう。二人って優しくて格好良いんだねっ」
何て可愛らしいがよ!?
おんし、心配してくれたがか?まっこと、出来たおなごじゃあ!ますます惚れたがよ。
隣を見ると、和泉守が胸に手を当て何ら考えよう。
じゃが…わしは、主ん事で頭がいっぱいじゃった。