第39章 大ハプニング
朝、目が覚めた時には鳴狐の姿は無かった。
身体が軋む様な鈍い痛みが、昨晩の情交を物語っていた。
主「昨日、何か言われた気がするんだけど…あー、思い出せない」
覚えているのは激しい行為と交わり合う熱、そして…優しい声。
身体は清められ、服も着せてくれていた。
私は伸びをしてから、着替え等を持ち風呂へと向かった。
主「はー…今日も良い湯だぁ。流石は天然温泉!」
この本丸に来て一番驚いたのが、この天然の温泉が湧き出る大浴場だ。
男女別になっていないのが少し不服ではあるが、それ以上にこの泉質は上質だった。
頭と身体を洗ってから温かい湯に浸かっていると、ふと誰かが入って来る。
ええ!!うそ、ちょっと待ってぇぇぇ!?
湯船に口元まで浸かり、聞き耳を立てる。
陸奥守「あーもう、えらい目ぇに合ったがよ」
和泉守「うっせぇ、テメェがいきなり飛び出してきたんだろーが!」
陸奥守「おーおー、人ん所為にするとはのう。わしはおんしの所為で、こが泥だらけになりゆうがやろ!」
和泉守「ああもう、喧しい!テメェがボサッと歩いてやがんのが悪ぃんじゃねぇかっ」
出にくい…。何よりも、湯気で二人が何処に居るのかすら分からないから出るに出られない。
っていうか何で入って来て早々、風呂で喧嘩してんの?この二人。
まあ、気付いて無さげだし…私もそろそろ出ようかな?
和泉守「……なっ!?」
陸奥守「……お!」