第37章 可愛いヤキモチは正義
何も言わず、抱き付いた私の腹に顔を埋めたままの小夜。
何だろうか、この可愛い生き物は。
もうあれか?この子は私を萌え死にさせに来た、可愛過ぎる死神なのか!?
小夜「…僕も……た…いです」
主「…ん?」
その声がくぐもっていて、小さくて…聞き取れなかった。
聞き返してみると、顔を上げて見詰めてくる小夜が再び口を開いた。
小夜「僕も…主様と……一緒に居たい……です」
ズキュウウウウウウウウン!
あまりの可愛さに、胸を射抜かれた様な衝撃が走る。
私がその可愛さに悶絶していると、不意に袖をクイクイと引かれた。
小夜「あの…ご飯、一緒に食べても良いですか?」
主「勿論!!!」
きゅん、と胸が締め付けられる。
私は小夜を抱き締め、その柔らかい頬に頬擦りした。
宗三「お小夜が…っ!」
江雪「好きに…させてあげましょう」
そして私の隣に座った小夜は、いつもの控え目で無口な印象を良い意味でぶち壊して来た。
小夜「主様これ、美味しいです…あの…」
そう言って、箸で掴んだ煮豆を躊躇いがちに私の口元へと運ぶ。
主「どれどれ?あーむ。んん~!小夜ちゃんに食べさせて貰えて嬉しさと美味しさ100倍だよっ」
小夜「じゃあ…これも…」
私の言葉に一緒目を輝かせ、表情が柔らかくなる。その表情が、何とも子供らしく可愛く映った。
再び口元に運ばれたのはブリの照り焼き。
箸先の下にもう片方の手が受ける様に添えられていた、ま…マナーが出来てる!