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私の本丸

第35章 五振りは突然に




真っ赤になってそっぽを向いてしまう歌仙。
可愛いなぁ…話には全然付いていけなかったけど。
御手杵は面倒見の良い兄貴、ってイメージを持ったのだが…もっと話さないと分からないよね?


主「じゃあ、加州ーーーー!」

加州「此処に居るよ?」


え…何で居るんだ?
いや、それよりも…。
私は加州に向き直り、口元で軽く手を合わせて片目を瞑った。


主「あのね、鳴狐と歌仙と御手杵に本丸内を案内してあげてくれないかな?」

加州「ええ!?何で俺ぇ!?」

主「加州は優しいし、頼りになるからね。三人を任せても安心かなって、駄目…かな?」


口元に拳を添え、思考を巡らせる様に右斜め上をじっと見詰める加州。
不意に、自慢気に胸に手を添え…。


加州「俺、愛されてる訳ね。良いよ、じゃあ三人共ついて来て?」


良かった…。
四人が部屋から出て行くと、いつの間にかこんのすけも居なくなっていた。
きっと面倒臭そうだから帰ったんだろ、あの狐ぇ。
ふと見れば、未だに喧嘩は続行されていた。


陸奥守「表に出るがぜよ!!」

和泉守「上等じゃねぇか!」

長谷部「やめろ、と言っているんだ!主の前なんだぞ!?」


私は思い切り息を吸い込んだ…そして。


主「………喧嘩するなら、私が相手してやろうかこの野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


少し驚かせると、きっと止まってくれるだろうと…大声を出してみた。
効果は絶大で、三人は鳩が豆鉄砲を食らった様な顔で私を見ていた。

沈黙を破ったのは陸奥守…。


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