第35章 五振りは突然に
長谷部「主お世話係もとい、本日近侍の長谷部が参りました!」
早っ!!
っていうか、今日の近侍は長谷部なのか…っていうか、今日から近侍は決まってたのか!?
主「あのね、長谷部。今新しく顕現した子が居て、本丸内を案内してあげて欲しいんだけど…」
長谷部「な…っ」
主「あ…あともう一人だけ、良いかな?」
やはり、急に呼び出してお願い事なんて…都合良過ぎたかな。
私の眉が下がりかけた瞬間…。
長谷部「しゅ、主命とあらばこの長谷部、圧倒的責任感を持って喜んで主の為に尽力させて頂きます!!!」
ええ!?嫌がってた訳じゃ無かったの!?
嬉しげに頬を僅かに染め、満面の笑みを浮かべて頭を下げる長谷部に暫し固まってしまう。
シン…となった沈黙の中、こんのすけが口を開いた。
こんのすけ「では、さっさと残りの四振りも顕現して下さい!」
主「はいはい」
こんのすけ「ハイは一回!」
主「はーい」
こんのすけ「伸ばさない!!」
うっさいな、先生かよ!?
溜め息交じりに返事をすると、四枚の顕現札に口付け神力を移した。
そして、一気に四振り全てに札を触れさせた。
途端、部屋中に舞う桜吹雪。
主「わ…!?」
陸奥守「こ、こりゃあたまげたぜよっ!」
目も開けられない程に部屋中を舞う桜吹雪の中から、声が聞こえて来た。