第34章 戸惑う恋心
~ * その後 太郎太刀目線 * ~
次郎「もう、何なのさぁ。あの子もそうだけど、兄貴も何か変だよ?あ、さては何かやらかしたのかい?」
主様と別れ、次郎太刀と部屋に戻っていた。
不意にニヤリと笑い問い掛けて来る次郎太刀。
茶を淹れ、気を落ち着かせ様としていたのですが…我が弟ながら鋭いですね。
動揺は隠していた筈ですが、身体は正直だった様で。
次郎「兄貴分かり易すぎぃ…お茶、溢してるよ」
太郎「これは失礼…別に動揺した訳ではありませんよ?」
次郎「はは~ん、動揺したのかい」
まさか、弟の言葉に此処まで心乱される日が来ようとは、思いませんでした。
次郎「ま、あの子なら…」
太郎「何ですか?」
次郎「ふふん、べっつにぃ~?」
よく…分かりません。
自分の気持ちが、あの様な行動を取ってしまった訳が。
目を閉じれば瞼の裏に、あの主様の笑顔が浮かぶ理由が…。
そして、次郎太刀の言い掛けた言葉も…。
全てが分からず、私はただ黙って床に溢した茶を拭き取っていた。