第34章 戸惑う恋心
な…なに、独り占め!?
太郎太刀はこういう所がある…普段は落ち着いていて冷静で、あまり感情を表に出さない。
その癖、時折こんな優しい笑顔を見せて…私の心を掻き乱す。
主「太郎、子供みたい…」
太郎「では…私が子供返りする程、主様が魅力的だという事で」
再び顔を寄せては、クスッと笑う太郎太刀。
勝てない。この笑顔に勝てる方法が何かあるならば、教えを乞いたい位だ。
でも悔しいから、今度は私からそっと太郎太刀と唇を重ねた。
主「仕返し…」
太郎「…っ…主様は、大胆ですね」
一瞬驚くも、やっぱり余裕そう…。
ごめんなさい、敵うと思った私が馬鹿でした。
其処にやって来た次郎太刀が、空気を読まず明るい声で話し掛けて来た。
次郎「ああ、兄貴此処に居たんだ。あれ、何だアンタも居たのかい?兄貴で隠れて見えなかったよー」
主「あ…わわ、私!あの、い…行くとこあるから!」
太郎「あ、主様もですか?偶然です、私も急に用事を…」
そう言って逃げる様に二人と別れた。