第33章 仲直り
蛍丸「ねぇ主、ちょっとしゃがんで?」
主「ん…こう?」
言われた通りしゃがみ、首を傾けた。
すると…ぽん、と優しく蛍丸に頭を撫でられる。
主「うぇ?ど、どうしたの?」
蛍丸「…三日月さんと仲直り、しなきゃだね?主」
ハッとした。
そうだ…このままでは駄目だ。皆の目の前で、三日月と喧嘩した…きっと皆を不安にさせた。
皆、色んな事があった。私が傷付けて、私が不安にさせてどうする!
でも…私だって、腹が立つ時くらいある。
そう、意固地になっていた私の気持ちを蛍丸は優しく和らげてくれた。
主「そうだね!ごめんね、ほたるん。不安にさせちゃった?」
蛍丸「ううん、主は人の事を気にしすぎだよ。俺は主が誰より俺達の事を好きでいてくれるの、知ってるもん」
うん、そうだ。私は皆の事が大好きなんだ!
求められても、嫌だなんて感じたりしない。寧ろ、私は自分を好いてくれる気持ちが嬉しくて仕方が無い。
それなのに突き放しちゃ…駄目じゃないか!
自分の中で気持ちが落ち着きを取り戻し、私はニッと笑うと一つ頷いた。
主「ありがとう、ほたるん。私、三日月と仲直りして来る!」
蛍丸「ん、いってらっしゃーい」
何気無い日常の様に、軽く手を振って見送ってくれる。
この然り気無い優しさが、何よりも胸を温かくした。