第32章 お薬を作りましょう(*)
主「あ、あはは…美味しい薬なんて無いもんね。あ、そうだ薬研、これで調合は終わり?」
薬研「そうだな…傷薬に湿布薬、頭痛薬に胃薬と下痢止め…まあ、今作れるのはこんなもんか」
よっしゃあ!やっと終わったぁぁぁ!!
ガッツポーズをぶちかまし喜びたい気持ちを抑え、ふーん…と頷いておいた。
薬研「そういや、話は変わるが大将…」
主「ん、なーに?」
薬研「生娘じゃ無くなったらしいな?」
今作ったばかりの薬を薬瓶に詰めながら、さらりと問い掛けて来た。
私は突然の事に動揺を隠し切れず、唾が気管に入り噎せた。
主「なっ…げほっゴホッ!!」
薬研「その反応は、旦那の話は強ち嘘では無いらしいな」
主「こ、子供がそういう事聞いちゃいけないんだぞー」
自分の動揺を隠すべく放った言葉が、薬研の気を逆撫でしてしまったらしい。
何も置かれていなかった台へと、押し倒されてしまう。
油断していたとはいえ、どうしてこんな小さいショタまでもが力が強いんだ…。
薬研「なら試してみるか?俺がガキか、否か…」
そう言って、私の服の前を開き下着を着けた胸を露にする。
主「…!?」
薬研「大将は分かっていないのかも知れないが、俺らは刀剣。見てくれはガキだが、知識はアンタよりあるんだぜ?」
!!!!!!
そう言って口角の端を吊り上げ笑う薬研は、他の何よりも妖艶に映った。
その薄い赤紫色の瞳に吸い込まれてしまいそうで、目が逸らせなかった。
すると、台に肩膝を掛けて耳元に唇を近付けて来た。