第31章 御執心
主「もう、ふざけてるなら加州がご飯要らないって言ってるって燭台切に言って来るからね?」
加州「ふざけてる訳じゃ…え!?ごめん、主!はあ…じゃあ、今日は大人しく部屋に戻るよ」
そう言うと襖を開け、部屋を出て行く。
加州「あ、そうだ。主!」
ビクッ!
出て行ったんじゃ無かったのか…?
今、出て行った筈の加州が襖を少し開け顔を覗かせていた。
主「な、何?」
加州「だーいすき!」
満面の笑顔を向けてそう言うと、上機嫌で襖を閉める加州。
足音が遠ざかって行く。
はあ…可愛いけど意外や意外、曲者だわ…。
主「はあ…広間に行くの気が重いなぁ…」
三日月が加州だけに言ったとは限らない。
何とかして審神者部屋に引きこもれないだろうか?
するとその時。
長谷部「あ…主、燭台切が朝食を作ったのですが…」
主「は、長谷部!?あの…うん…」
長谷部「お出で下さいますか。もし、まだその…腰…の具合が悪いなら、その…」
私が返事をしたら部屋に入って来た長谷部。
自分の言葉に真っ赤になっていく長谷部を見て、確信した。
昨日あのジジイは、皆に全部…話しやがった…!!
主「長谷部、広間には三日月も居る?」
長谷部「あ、主はやはり三日月がお好きなので……っ!?は、はい!い、居たと思います!!」
私は笑顔で聞いたつもりだったが、怒り故か目が笑っていなかったらしい。
淋しそうに口を開いた長谷部が、動揺を隠す事も出来ず答えてくれた。
その言葉に私は立ち上がり、審神者部屋を後にした。