第31章 御執心
ズンズン、と早歩きで広間に向かう。
漸く探していた相手、もう既に席に着いていた三日月を見付けた。
主「三日月ーーーーーーーっ!!!!」
三日月「ん…おや、どうした?主」
どうした、じゃない!
もう…何で言っちゃうの?私が恥ずかしくないと思ったの?
こんなでも…一応、女なんだよ…?
伝えたい事を何一つ伝えられず、私は三日月に抱き付いて泣き出してしまった。
三日月「……っ!?」
余程驚いたのだろう。あのいつも飄々としている三日月が、目を大きく見開き固まっていた。
主「ばか~~~~~~っ」
子供の様に泣きじゃくり、力の入らない拳で三日月の胸を叩く。
すると、茶を飲んでいた鶯丸と小狐丸が三日月を横目に見る。
鶯丸「…うむ、三日月が悪いぞ」
小狐丸「そうですね。私はぬし様の味方しか致しませぬ」
鶴丸「こりゃあ驚きだ。ほら主、俺と飯でも食おうじゃないか」
苦しい。でも、三日月は好き。
辛い。でも、後悔はしてない。
腹が立つ。もう、本当に!
三日月「主は…嫌だったのか?」
主「ばか…知らない!もう、今日は鶴ちゃんと一緒に食べる!」
三日月「…鶴と?」
ずっと手を広げ待ってくれていた鶴丸の元に駆け寄り、抱き付けば三日月にべーっと舌を出した。
一瞬、三日月から動揺が垣間見えた様な気がした…。
鶴丸「フッ、主は俺をご指名らしい。残念だったな、三日月」
私の肩を抱き、自分の席へと連れて行く。