第30章 夜這いにはご注意を(*)
分かった、此れはお前の趣味なんだな?どうして自分の趣味を持ち出して来るんだ…っていうか、どれもこれもまともなのが一つも無い。
主「いーらーなーいーっ」
こんのすけ「ほら、耳も付いて…」
主「………」
無言で睨み付ければ、こんのすけは深い溜め息を吐いた。
そして、にやりと笑えば。
こんのすけ「ではこの職衣は全て置いて行きます。てぃーぴーおー、ですな。あ…職衣はちゃんと着て下さい、さすれば昇給だそうです」
主「…な、ちょ!?」
私の制止虚しく、こんのすけはポンッという音と共に僅かな煙を残し姿を消してしまった。
主「ま、まあ…次郎ちゃんのあの飲み方は、昇給掴まないと本丸破産しそうだし…」
私は溜め息を吐くと再びパソコンと向き合った。
手早く報告書を書くと、政府へと送信した。
その後、私は蛍丸の敷いてくれた布団に入り眠りについた。
夜中、ふと目が覚めた。
何故か、胸を圧迫される様な違和感を覚えた。
そっと自分の胸に手をやると、私じゃない誰かの手に重なった。
主「ヒッ!?ん~~~~~~~!!!」
?「シーーーーッ!主、俺!俺だから安心してっ」
悲鳴を上げようとすれば、口を塞がれてしまった。
安心出来るか!!そもそも俺って誰だよ!?
いや…ちょっと待てよ?この声…。
私が落ち着いて暴れなくなると、口を塞いでいた手が退かされた。
主「何…してるの、加州…?」
加州「ねぇ…三日月に抱かれたってさ、本当?」
!!!!!!!!!
な、な、何で知ってんの!?
ま、まさかあのジジイ、バラしたの!?
嘘だろー……。
主「あ、あの…えっと…」
加州「主の初めて…俺が貰いたかったのに」
背中で感じる、加州の悲しげな声。