第2章 高級寮
この実技テストでは、アンジェリカ先生が発動させた結界の中で一人一人が先生とツーマンセルで行われる
次々と生徒が結界の中へ入っていく
浮かばない表情をする生徒が半数だ
結界からでてきた者で歓喜を隠せないような表情をする奴もいた
まぁ、このテストに受かるってことは生ハンナ覚悟では無理なことだ
そして、俺が番がやってきた
結界は白い大きな泡のようで、生徒が近づくと自動的に入れる
俺は息をのんで結界の中へ入った
誰もいない、静かな空間
どこにもアンジェリカ先生は見当たらない
だが、先生の声だけはする
「デリック・ハインツレイド、目の前に文字が見えますね?」
「あ、はい」
「この文字を正しい形に並び替えなさい。」
そういうと、先生の声は聞こえなくなり
俺は目の前の文字を並び替えていく
ゆっくりと、深呼吸をして、正確に思い出す。
徹夜でクラトスに教えられた呪詛式炎魔法
単純な炎魔法に、呪詛を付着させ、強力にする魔法
いわゆる、強化魔法・・・
一つ、また一つと文字を並び替え、最後の文字を正しいと思う箇所に配置した
すると、文字は一瞬で燃えだし、黒く焦げ、灰になって消えていった
「な・・?!」
驚く俺に、アンジェリカ先生が目の前に姿を現した
「合格よ、デリック。」
「アンジェリカ先生・・!」
「さすが、クラトスの相棒ね」
「は?
相棒って・・俺はそこまであいつに何かやれてないのに、相棒だなんて・・・。」
「そうかしら?
貴方はクラトスに食事を与えてくれたじゃない」