第2章 高級寮
その瞬間、生徒の顔を巨大な炎で燃やしていった
「な?!」
俺は言葉が出なかった
「う・・わあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
顔の炎を手で消そうとする生徒
「どうした?
水魔法で消火してみろよ。」
「も・・もえる・・・燃えてる!
あつい・・あついーーー!!」
転げまわる生徒を見て、ニヤリと笑うクラトス
俺はゾッとして、思わずクラトスを止めた
「クラトス、やりすぎだ!
早く消火してやれよ!!」
「・・・大丈夫だ、デリック」
「?」
「решение」
クラトスがそう言うと、生徒の炎は消えた
そして、溶けているはずの皮膚は溶けていない
いや、むしろ、顔は正常だ
「あ・・あれ・・熱くない?
顔・・僕の顔・・?」
生徒は自分の顔を両手で触りながら、クラトスを見て震えた
「あ・・お前・・今の魔法は・・!」
「おい、こいつやべぇぞ!」
「もう行こうぜ!」
震える生徒を担いで、他の生徒は逃げていった
「・・クラトス、今の魔法は・・?」
「水魔法の〝幻影〟と音魔法の〝幻聴〟とを組み合わせた魔法だ。」
「・・・はい?」
「つまり、魔法と魔法を重ねた幻術だ。」
詳しいことはわからないが、きっとクラトスが発動させた今の魔法はきっと、とても難しいものなのだろう
幻術を作り上げるのは、基礎魔法の水魔法の習得、そして音魔法のマスターをしなければならない
それに、炎が実際に体についてしまっているという感覚を
幻覚と共に見せる・・・。
頭の中では言えるが、現実ではきっとできない魔法
それを、こいつは簡単に使いこなしている
ヤギにかけた解術呪文といい、今の幻術魔法といい
クラトスは思った以上の人物だ。