第3章 烏との再会
私はクロの所に行く
『さっき向こうのセッターと話してたろ
何話してた?』
ちょっとドキッとするけど、何でもないように答える
《名前聞かれてただけだよ》
『で?教えたの?』
クロの問いかけは止まらない
《うん、一応》
『へー、いつもは親しくないやつには教えない羽多が教えたのかー
不思議なこともあるんだな』
私は何も言い返せない
《⋯⋯ごめん》
『別に、謝ってほしいわけじゃないけど』
こう見えてクロは独占欲が強い
だから、私は常日頃気をつけているのだ
名前を教えないのもそのひとつ
《ほら!今後、付き合いも増えていくだろうし
別にいっかなと思ったの》
言い訳のように繕う
『烏野のセッターと、ましてや1年と絡むことなんてあるのかねぇ?』
何も言えない
《⋯⋯⋯ごめん、今度からはもっと気をつけるよ
だから⋯嫌いになったりしないで》
クロに嫌われたら私は死んでしまう
『嫌いになったりしねぇよ
ちょっとムカついただけだ
ほら、行くぞ』
クロに手を引かれ私たちは体育館を後にした