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【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】

第5章 segreto -秘密-





あの時の記憶が蘇る。


人々が暗いコンクリートの壁に囲まれた部屋で、大量に血を撒き散らしながら次々と風船が割れるように絶命していく様。

私はまぶたを閉じてその時の記憶を振り切り、再び目を開けた。


「けれど、患者は痛みも苦痛もなく、幸せそうに笑って死ぬ。それが合成麻薬、フェリーチェ・ロッソー…幸福の赤。私は…その治療薬を開発したくて…研究をしてる」

「治療薬?」

「薬に対する依存性は止められないし、現状じゃ心理療法しかない。でも、副作用として現れる症状なら治せるかもしれない…。私はあんな風に死んでいく人は…もう見たくないの…!」


地獄の中、目の前で破裂した母。

発狂して笑ったまま…割れた。


「この麻薬を開発したのは私の両親。そして…その麻薬に殺された。だから麻薬なんか大嫌いなの。でも…父さんと母さんにそんなもの作らせたギャングはもっと嫌い…!!」


私は勢いに任せて目の前の机を思い切りぶったたく。

拳がビリビリと痛む。


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