第2章 口減らし
それから四半刻しないうちに
猫猫大姐が戻ってきた
《待っていて》という言葉は
よほど私に恐怖を植え付けたらしい
猫猫大姐の姿が見えた瞬間
私は駆け寄り抱きついた
「おい…」
「ふふ」
「おやじ、笑いすぎだ…」
そういう猫猫大姐の目線を追うと
男とも女とも言える
中性的な見た目の大人がいた
どうやらこの大人を
呼びに行っていたらしい
『猫猫大姐』
「それ、言いづらくないか…?」
『んー…大猫??(マオさん)』
そんなやり取りを
その大人はジッと見ていた
『大猫、その人だれ』
「人を指差すんじゃない…このおやじは私の育ての親、羅門だ」
『るぅめ、るぉ…』
「発音難しいなら呼び方は何だっていいよ??」
『…大叔(おじさん)』
「うん、それでいい」
そういって私を撫でた羅門大叔の手はとても温かく、優しかった