第2章 口減らし
この数年、そういえば
親に頭を撫でられることなんて
一度もなかったのでは…?と
久々に与えられた温もりに
こういう場合どんな反応をすればいいか
わからず困惑していたら
「いい加減離れろっ」
痺れを切らした猫猫大姐に
引き剥がされてしまった
『…』
「…(汗)」
「よしよし」
よほど不満が表情に出ていたのか
猫猫大姐は苦虫を噛む潰したような顔しているし
羅門大叔はニコニコとまた私の頭を撫でた
「さてと。どうしようかね」
…中性的な顔がそうさせるのか
何を考えているのか解らぬ表情豊かで
何かを思案し始めた
「ま、一人も二人も変わらないか…」
「おやじ……はぁ…」
『んー??』
「名は?」
『娘娘』
「では、娘娘。今日から君は私達の家族だよ」
『え…?』
何を言われているのかわからなかった
猫猫大姐に見たら
かすかだがこちらを見て頷いた
ようやく事態を飲み込めた私の脳内は
それはそれはパニック状態で
静かな森には私のすすり泣く声が
響いていた
理由もわからぬままコチラに来て
突然家族から口減らしで捨てられ
これからどうなるだろと思った矢先
私に
新たな家族ができた