• テキストサイズ

再開した時には組織の一員でした

第2章 file.1 後編





少年が出て行った方を見れば既に暗闇に消えてどこに行ったかはわからない。
その変わり、ロゼはガラスに写し出されたきらびやかなエントランスをぼんやり見つめた。
誰もいない静かなフロア。
唯一、カウンターにいるふたりのスタッフだけが、事件にそわそわして落ち着かない様子なのが一目瞭然だ。
そりゃ、まぁ、殺人事件が起きれば当たり前か。と、苦笑した。

「あ...」

ベル姉はいつ頃開放されるかなー...と、再び外へ視線を戻せば白いものがチラチラと降ってきた。

「雪だ...」

どうりで駐車場も冷える訳だ。

「雪なんて久しぶりに見るな...」

けど、まぁ、都会だから滅多に積もりはしないだろうけど。
そういえば、ジンも雪を真っ赤な血で赤く染め上げるの好きだっけか。
いや、違うな。とにかくなんか、こう、人を真っ赤に染め上げるのが好きなんだっけ。

............

てゆーか、どの道悪趣味だからどうでもいいか。
それよりもさっきの少年はどうしようか。
もしかしたら、ビックリして逃げ出しただけなのかもしれないし。
報告は特にいらないかな。





.
/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp