第2章 file.1 後編
「で?あいつら最悪かよ。」
殺人劇が始まってからそんな時間も経たないまま、ジンの元に何かの連絡があり、ジンとウォッカは「俺らの仕事が出来たから行ってくる」と、なんとも愉快そうな笑顔を見せたかと思ったらロゼを駐車場に置き去りにし、颯爽とどこかへ行ってしまった。
まぁ、その辺は組織の上にいる幹部っぽいよなー...などと呑気な事を考えながら耳に着けてる盗聴器へとソッと触れる。
ベルに着けてる盗聴器から聞いてる限りではホールが閉鎖されて、出れない状態らしい。
また、面倒ごとになってるなー、と思いながら取り敢えずジンの車がなければ冬の駐車場では少々冷え込む為、中へと入り、エントランスの目立たない所で待機してる事にした。
幸いにも服装は白と黒だし、言うほど見た目的に目立ちもしない。
何より、今は殺人事件によりそれどころではないはずだ。
いつ頃開放されるのかなー...なんて呑気な事を考えていると、明らかに慌てた様子の男の子が、血相を変えてホテルを飛び出して行った。
「あの子...」
ロゼは頭の中の情報を引き出し、頭を捻った。
今回このホテルでは偲ぶ会しか催し物は無かったはず。
招待されたのはベル姉みたいなハリウッド女優や、有名な政治家...仮に子供連れで来た人がいたとしても、今の子供明らかに私服だったからまずお偉いさん達ならそれ相応の格好をさせてやってくるはず。
そもそも、殺人事件のホールで警察が犯人を逃さないように今閉鎖してるらしいから、子供でも出さないだろうし、ましてや親が子供を離すわけがない。
だと、したら
「あの子何者だろう?」
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