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氷華血鎖【鳴門】

第19章 一部・一触即発


なのに難無く離脱を可能にしたと言う事は…我々暁と同等の強さを持つ者だと考えられる、否、そう考えた方が良い。



「それともう一つ」

「?」

「チヅルさん、何やら探し物をしてるみたいであまり家に居ないらしいです」

「探し物…?」



もし仮に。
双子の事も知っていてチヅルを探してると言う人が事件の生存者だとして。チヅル自身は何を探してる?アレだけ弟妹を大事にしてて傍を離れようとしないチヅルが家を空ける事が多くなる程に重要な探し物。何らかの事情で事件の生存者が居ると知ったとしたら?恐らくその生存者を探す。探してどうする…殺すしかない。
多少、こじつけがましいが有り得ない線では無い。



「どうしますかイタチさん。一応我々の規則としては、あの姉弟の安全と平和を約束してるのでしょう?狙われてるのだとしたら放っては置けないでしょうし…リーダーくらいには報告しますか?」

「いや」



何か隠してるのは再会した時から気付いてたし問うた。でもチヅルは"言えない"と言った。つまりは公にしたくは無いと言う事だろう。



「急ぎの任が回ってくるまで…少し様子を見よう」





※※※





「「わぁー!鍋だぁ!」」



食卓に身を乗り出す弟妹の額を抑えて制してから各々に鍋をよそう。



「私達まですみません」

『いいのいいの。此処は休憩所だから』



食卓を囲む人間が一人二人増えたところで、どうって事は無いし弟妹は暁の皆が好きみたいだから寧ろ歓迎しちゃう。まぁこの子達は暁がどんな組織かは知らないだろうけど。



「そう言えば姉様」

『何マツ』

「今日、変な人が来た」

「「!!!」」

『変な人?』



トシは兎も角、鬼鮫さんが僅かに反応した事から何かあったのだろうとマツの目を見て記憶を読み取りながら、そんな素振りは見せない様に会話をする。素振りを見せないってのも、この目の事を知ってるのはイタチさんだけだから。



「何か姉様に用事があったみたい。私達の事も知ってたから…患者様だった人とか?」

『患者様は腐る程居るからなぁ…』

「すっごく格好良い人だった!イタチ兄様くらい!」

「………俺?」

「そのくらい整った容姿をしてらしたって事です」

「買い被りすぎだ」
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