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氷華血鎖【鳴門】

第15章 一部・二年


最初は危険だからと修行を付けるのも嫌がり、狩りの仕方もアカデミーに通わす事も躊躇っていたが、家を留守にする事が多くなってる故にか早く一人前になろうとする二人の願いを聞き入れる様になった。



「もう二人共帰って来てんだな」

『うん…何か最近不審者が居るみたいで早めに学校終わったみたい』



事が落ち着くまでは暫く学校も休みなんだって、と弟妹二人を組手の相手にしながら余裕そうに喋る。正直俺は…この二人相手にして余裕は無い。寧ろ二人も相手は出来ない。



「っはぁ…!姉、上…真剣にやって…」

「はぁ…はぁ…疲れ、た…」

「不審者って?」

「ん…、何かね…人殺し、なんだって」

『「人殺し?」』



質問がチヅと被る。
聞けば数日前から湯隠れの里のあちこちで人が殺されてるらしい。そして今朝方、学校の近くで人の死体が発見され、その犯人が近くに居る可能性を考えて学校は早々に生徒を帰したとの事。



『人殺しか…』



何かを思案する様に考え込む。





※※※





時刻は月明かりだけが頼りの真夜中。
不審者…って言うか殺人鬼の件を聞いて不安の芽は摘み取っておくべきだと考えたアタシは退治に行くかと重たい腰を上げようとした時だった。会合のお呼び出しがかかった。



「恐らく二代目火影が開発した穢土転生と言う術だ」



今回の会合の内容はサソリさんとデイダラ君のコンビが大蛇丸さんと接触したとの事。その際、死者を蘇らせて操る穢土転生と言う術を使用したらしい。その術は不死身で術者を殺しても転生体は止まる事が無いらしく封印するしか無いと言う。
何ともまぁ嫌な術。死者を蘇らせるなんて世の理に反してる。



「不死身という事では、もう一人現れたわ」

「湯の国からの依頼だ。殺人鬼が現れたから退治して欲しいそうだ」



あ、それは今まさにアタシが動こうとしてた類の話では。



「あそこには湯隠れの忍が居るだろう。それにチヅも」

「彼等では殺せないそうなの」

『アタシも今日、弟妹から話を聞いて知ったところ』

「その殺人鬼が不死身と言う訳か」



なんだ、もう国は暁に依頼してるのか。しかもただの殺人鬼じゃなくて不死身って…まぁだとしたら皆に任せてアタシは通常通り平和な日々を送らせてもらおう。
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